歴史

history

本社付近昭和20年代後半

創業地の柳町周辺。昭和20年代後半の様子。(山陽新聞社提供)

1946

昭和21年、山方辰三郎が「山方商店」を岡山市柳町に創業する。社屋は木造2階建て、30坪。当時は砂糖や牛乳などの卸売業を営んでいた。

創業地の柳町周辺。昭和20年代後半の様子。(山陽新聞社提供)

1946

昭和21年、山方辰三郎が「山方商店」を岡山市柳町に創業する。社屋は木造2階建て、30坪。当時は砂糖や牛乳などの卸売業を営んでいた。

山方辰三郎と妻の禾寿恵

人物

創業者 山方辰三郎(やまがた たつさぶろう)

1910年(明治43年)、岡山県津山市に生まれる。1946年(昭和21年)、岡山市で山方商店を創業。昭和中期よりきびだんごづくりに取り組み、先行するきびだんごメーカー各社と共に「岡山名物きびだんご」の確立に尽力した。誰にでも分け隔てなく接する愛情深い人柄で、多くの人に慕われた。1999年(平成11年)逝去。

山方商店の新聞広告(昭和25年)。旧町名「下西川町」と記載されている。

1960

昭和35年頃、きびだんごの製造を始める。岡山駅で販売を開始し、その後、姫路駅、福山駅へと販路を広げた。

コラム

きびだんご製造に参入

取引先だった岡山駅の鉄道弘済会(キヨスク)から「砂糖を活かした土産菓子をつくってみてはどうか」と勧められたことがきっかけだと伝えられています。「名物にうまいものなし」にならないようにと、おいしいきびだんごづくりの研究を重ねました。

山陽新聞社提供

あのころの岡山

岡山国体開催

1962年(昭和37年)、岡山国体(第17回国民体育大会)が開催されました。参加選手は約2万2000人。このとき岡山県が地域のシンボルとしてPRしたのが「桃太郎」。岡山駅前の桃太郎像は、この国体に向けて1960年(昭和35年)につくられたものです(現在の像は2代目)。

1965

昭和40年、有限会社山方永寿堂として法人化。山方辰三郎が社長に就任する。

コラム

社名の由来

創業時は「山方商店」でしたが、1965年(昭和40年)の法人化にあたり、辰三郎の妻・禾寿恵(かずえ)の「寿」を取り、永く栄えるようにとの願いをこめて永寿堂としました。禾寿恵は、辰三郎を公私ともに支えた生涯のパートナー。取締役として山方永寿堂の発展に大きく寄与しました。

1965

昭和40年、第16回全国菓子大博覧会で「名誉金賞」を受賞。

1968

昭和43年、第17回全国菓子大博覧会で「名誉大賞」を受賞。

コラム

4社共通パッケージ

昭和30〜40年代当時、当社を含む岡山のきびだんごメーカー4社は、岡山駅で共通のパッケージを使ってきびだんごを販売していました。中身のきびだんごは各社の製法でつくっていますから、外見は同じデザインでも、箱ごとに味が異なっていたのです。4社共通パッケージは昭和40年代まで続いたようです。

1972

昭和47年、山陽新幹線岡山駅が開業。観光客の増加にともない売上が飛躍的に伸びる。新幹線の車内販売も開始。

山陽新聞社提供

あのころの岡山

新幹線岡山駅開業

1972年(昭和47年)3月15日、山陽新幹線の新大阪駅・岡山駅間が開業しました。この年、岡山を訪れる観光客は前年の2倍以上に増えたそうです。各社が製造するきびだんごの売上も急激に伸び、岡山駅では新幹線開業前の3倍に達したという記録が残っています。

1973

昭和48年、第18回全国菓子大博覧会で「厚生大臣賞」を受賞。

昭和40年代から平成18年まで使用していた2代目パッケージ

各メーカーの社名が並ぶきびだんごの新聞広告(昭和51年)

1977

昭和52年、第19回全国菓子大博覧会で「通産大臣賞」「労働大臣賞」を受賞。

1984

昭和59年、第20回全国菓子大博覧会で、「これ以上審査する必要はない」とする「無鑑査賞」を受賞。

1984

昭和59年、優良申告法人として岡山東税務署長より表彰される。

1988

昭和63年、瀬戸大橋開通記念パッケージのきびだんごを発売。

山陽新聞社提供

あのころの岡山

瀬戸大橋開通

1988年(昭和63年)4月10日、本州と四国を結ぶ世界最長の道路・鉄道併用橋、瀬戸大橋が開通しました。岡山・香川は瀬戸大橋ブームに沸き、観光客が増加。この年、岡山後楽園の入場者数は前年比150%を記録したそうです。山方永寿堂も瀬戸大橋開通記念パッケージのきびだんごを販売しました。

1991

平成3年、脱酸素剤を封入した密閉式のパッケージを開発し、発売する。これにより賞味期限の大幅な延長を実現した。

1995

平成7年、阪神大震災によりJRが約3ヶ月間不通となり、きびだんごの売上が大きく減少する。

1996

平成8年、山方辰三郎が社長を退任し、岡本隆明(現会長)が社長に就任する。

人物

二代目社長 岡本隆明(現会長)

1954年(昭和29年)、岡山県津山市に生まれる。岡本隆明は山方辰三郎の又甥にあたる(辰三郎の妻・禾寿恵の弟の息子)。株式会社日本旅行の営業社員として約13年間勤務。辰三郎に請われ1990年(平成2年)、山方永寿堂に入社した。入社後は新規取引先の開拓、新商品の開発、パッケージデザインのリニューアル、社屋・工場の新築移転などに取り組み、個人商店からの脱却と企業化を推し進めた。

1996

平成8年、「きなこきびだんご」を開発、発売。

1999

平成11年、本社の一部を店舗に改装し、きびだんごの店頭販売を開始する。

2001

平成13年、岡山放送(OHK)でCM放送を開始する(2007年まで)。

2003

平成15年、株式会社へ組織変更する。

2005

平成17年、岡山国体(第60回国民体育大会)向けの商品として、岡山国体マスコットキャラクター「ももっち」のきびだんごを発売。

2006

平成18年、創業60周年を記念してパッケージデザインを全面リニュアールする。図案は絵本作家・木彫作家の野村たかあき氏が手がけた。

人物

絵本・木彫作家 野村たかあき

1949年(昭和24年)、群馬県前橋市に生まれる。ユーモラスで表情豊かな鬼を題材にした版画を多く手がけ、人気を集めた。『おじいちゃんのまち』で第13回絵本にっぽん賞を受賞。岡山市で個展を開催した際に、当時の社長である岡本隆明が作品を気に入り、山方永寿堂の商品パッケージデザインを依頼。2006年(平成18年)から2015年(平成27年)にかけて同氏のデザインが採用された。2023年(令和5年)逝去。

2007

平成19年、4個入きびだんごを販売。

2008

平成20年、本社兼工場を岡山市中区西川原へ新築移転。新たなスタートを切る。

2008

平成20年、創業者・山方辰三郎が大切にした「和の精神」を受け継ぎ伝えていくため、社是「和顔愛語」を制定する。

コラム

和の精神/和顔愛語

創業者・山方辰三郎は、常に「和」の精神を重んじました。従業員一人ひとりの個性をお互いに認め合い、尊重し、共通の目標に向かって力を合わせて結束する大家族主義者でした。当社の社是「和顔愛語(わげんあいご)」は、辰三郎が敬愛していた曹源寺の原田住職が辰三郎の没後に語ったお言葉からいただいたものです。住職は「和顔愛語とは、和やかな笑顔、そして優しい言葉遣い、利他の心であり、それは山方さんの姿だった」とおっしゃいました。私たちの原点として大切にしたい心構えです。

2008

平成20年、桃太郎のオリジナル絵本『きびだんご』を制作(作・野村たかあき)。

2009

平成21年、岡山市が政令指定都市になったことを記念して「祝・政令指定都市<岡山>」のロゴ入りきびだんごを発売。

2011

平成23年、岡山大学のプロジェクトチーム「岡プロ!」と共同で企画した「岡大きびだんご 4個入」を発売。岡山大学の学生がパッケージをデザインし、同大を象徴するイチョウや時計台をあしらった。岡大生協との取引も開始。

2014

平成26年、最上稲荷にちなんだお正月向けの限定品「最上稲荷吉備団子」を発売(販売開始は前年の年末)。「午(うま)」の折り紙付き。デザインユニットCOCHAE(コチャエ)がパッケージデザインを手がけた。以降、2015年に未(ひつじ)、2016年に申(さる)の干支折り紙付き商品を販売。2016年終売。

2014

平成26年、15個入、20個入、30個入の製品に桃太郎の折り紙しおりを封入。野村たかあき氏の絵を、COCHAEが折り紙化した。野村氏とCOCHAEの唯一の共作となった。

2014

平成26年、桃太郎や鬼を描いた飲料自動販売機(ダイドードリンコ(株))を本社前に設置。当時の商品パッケージと同じ野村たかあき氏の版画デザインを使用した。

2015

平成27年、久米南町産の柚子果汁を生地に練り込んだ新商品「久米南ゆずきびだんご」を発売。※2019年(令和元年)に終売。

2015

平成27年、COCHAEによる個包装デザインを採用した10個入新パッケージデザインを発売。

2016

平成28年、創業70周年を記念してパッケージデザインを全面リニューアルする。図案はデザインユニットCOCHAE(コチャエ)が手がけた。

人物

デザインユニットCOCHAE(コチャエ)

「あそびのデザイン」をテーマに活動するデザインユニット。伝統文化に新しい視点を取り入れた玩具や雑貨の開発、展示、ワークショップ、商品デザイン、書籍の企画・編集・デザインなど幅広い活動をおこなっている。全面リニューアル以降の新商品も、すべてCOCHAEがデザインを手がけている。

2016

平成28年、岡本隆明が会長に就任し、岡本光正が社長に就任する。

2016

平成28年、大規模展示商談会「FOODEX JAPAN2016」に初出展し、販売エリアを全国に広げ始める。

コラム

岡山から全国へ

2010年代以降、当社のきびだんごは岡山県外にも販路を広げていきました。「おみやげ物」にとどまらず、全国でお召し上がりいただける銘菓として販売促進をつづけています。これからも「開けて楽しい 食べておいしい」きびだんごを、より多くの方にお届けしたいと願っています。

2017

平成29年、お祝いごとの贈り物に適したプレミアムパッケージ商品「めでたきびだんご」を発売。鶴・亀・福助の折り紙付き。

2017

平成29年、食と生活雑貨の見本市「グルメ&ダイニングスタイルショー秋2017」にて、「めでたきびだんご」がフード部門の大賞を受賞。

2017

平成29年、15個入、30個入の商品をリニューアルし、個包装化する。30個入は桃太郎のお面付き。

2018

平成30年、山陽新幹線の車内販売限定パッケージを発売(販売区間:新大阪駅~博多駅)。
※2023年(令和5年)に終売。

2018

平成30年、岡山大学の学生と共同開発した「岡大きびだんご」4個入・15個入のパッケージをリニューアル。15個入は個包装化する。

2019

平成31年、桃の節句にちなんだプレミアムパッケージ「ひなまつりきびだんご」を発売。雛人形の折り紙付き。以降、季節商品となる。

2019

令和元年、岡山県産白桃ピュレを練りこんだ「白桃きびだんご」を発売。

2019

令和元年、海外への輸出を開始する。

2019

令和元年、日本のハロウィンにちなんだプレミアムパッケージ「妖怪きびだんご」を発売。妖怪シール付き。以降、季節商品となる。

2019

令和元年、明治座ももクロ一座公演の特別グッズとして「白桃きびだんごももクロVer.(メンバーのイラスト折り紙付き)」を限定発売。

2020

令和2年、JR岡山駅構内「さんすて岡山」に直営店舗をオープン。

2020

令和2年、新型コロナウィルスの流行によって人の移動が減少し、きびだんごの売上に大きな打撃を受ける。

2021

令和3年、この年より干支折り紙付きの「めでたきびだんご」の販売を開始(2021年は丑〈うし〉)。以降、その年の干支折り紙付き商品を発売。

2021

令和3年、こどもの日にちなんだプレミアムパッケージ「こどもきびだんご」を発売。こいのぼりと兜の折り紙付き。以降、季節商品となる。

2021

令和3年、「桃太郎物語」のアニメーションを制作。YouTubeで公開する。

2021

令和3年、岡山市保健所より食品衛生の優良施設として表彰される。

2022

令和4年、節分にちなんだプレミアムパッケージ「節分きびだんご」を発売。鬼のお面付き。以降、季節商品となる。

2023

令和5年、お月見にちなんだプレミアムパッケージ「お月見きびだんご」を発売。兎さんぽうの折り紙付き。以降、季節商品となる。

2024

令和6年、(公財)岡山県健康づくり財団サポートのもと、食品の安全管理の取り組みを認証する規格「JFS-B」の適合証明を取得。

2024

令和6年、紙相撲を主体としたプレミアムパッケージ商品「ももたろう紙相撲きびだんご」を発売。紙相撲力士12体付き。

2024

令和6年、ダンスパフォーマンスグループ st kingz(シットキングス)主催のフェス「st kingz Fes 2024 ももたろう」の特別グッズとして「シットキングスきびだんご(オリジナルパッケージ・個包装&メンバーのオリジナルシール付き)」を限定発売。

2025

令和7年、岡山桃太郎空港・国内線搭乗待合室の座席シート(160席)に商品パッケージイラスト(桃太郎、鬼、サル、イヌ、キジ)を掲出。

2025

令和7年、JR岡山駅構内「さんすて岡山」直営店舗をリニューアルオープン。